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1 はじめに
2 位置情報と発信元の所在
3 発信元の分類
4 地上に設置された基地局
5 ビルの屋上のアンテナ
6 アンテナの種類
7 位置情報(北緯東経)の数
8 ハンドオーバー
9 アンテナと電波
10 電波特性と工夫
11 基地局の調査開始
12 「基地局探し」その後
13 移動受信のコツ
1 はじめに
(2003/06/13)
位置情報を集めるだけでは物足りなくなり、電波特性や無線用アンテナなどの専門知識がほとんどないままに“位置情報の発信元である基地局”の所在に興味を持ってしまいました。
ただ今、J-PHONE携帯電話に表示される位置情報を手がかりにして、あちこちの発信元を推定しています。
(2003/08/28)
当地には複数の位置情報(北緯・東経)を発信する基地局が数多くありますが、特に3つの北緯・東経を発信する場合、そのずらし方と基地局のアンテナの配置やカバーしようとするエリアとはなんか関係がありそうですから、少しづつその解析等を試みます。
(2003/08/22)
国土交通省国土地理院では2002/04/01から世界測地系が採用されていますが(詳細については国土地理院のHP参照)、J-PHONEの位置情報は従来の日本測地系のまま変化が見られないようですから、ここでは日本測地系を使用します。
(2003/09/14)
北緯・東経はJ-PHONE携帯電話から、
http://www.j-phone.ws/
↓
J-Posi
とアクセスして受信しています。
(2004/01/02)
2003/09/26から某廃人さんのご好意により、位置情報のログが残る専用ソフトを利用させていただいています(感謝)。
(2003/09/14)
ほかに、J-Navi(Jの公認サイト。1案内につき情報料\20)やj_Map(5x機専用(一部機種使用不可)。PCでhttp://jp.appget.com/pc/からダウンロード)を使う方法もあるそうです。
(2005/03/20)
2005/02/07からDeviceInfoというアプリを利用していますが、とても便利です(^^
このアプリを起動しておくと、自動更新のたびに位置情報の地名と北緯東経の表示が変わります。
手動更新するときは、アプリを一時停止してから行います。そしてアプリを再開すれば、更新後の北緯東経が表示されます。
位置情報の地名と北緯東経を正確に保存したいときは、「位置情報のログが残る専用ソフト」でアクセスログを残します。
このとき補助的に、位置情報の地名と北緯東経をメールに貼り付けておきます。旅行中に読み返して確認することがあるからです。
電界強度と電池残量が表示されるのも便利です。
2 位置情報と発信元の所在
(2003/06/13)
位置情報は、発信元の所在地とほぼ同じ場所であることが多いのですが、中には隣りの地名を示したり、とんでもなく離れた場所の北緯東経を示すこともあります(¨;
(2003/08/24)
位置情報と発信元の所在について地名が異なるものと北緯東経が5秒を超えるズレがあるものは、位置情報・推定発信元一覧のページに朱書き表示してあります(5秒という数字に根拠はありません。「5秒もズレないでくれよ」という程度の意味です)。
3 発信元の分類
(2003/06/13)
基地局は、地上に設置された物件、ビルの屋上に設置された物件、屋内や地下に設置された物件に大別できます。
4 地上に設置された基地局
(2003/06/14)
(2005/03/20更新)
アングルトラス鉄塔の場合は下部に、
株式会社デジタルツーカー東北(黒塗りで消されている)
○局
○M アングルトラス鉄塔
完成日 平成○年○月
製作 ○株式会社
という記載の金属製表示板が設置されています。
高さは、4種類(20m、30m、40m、50m)を確認しています。
(2003/06/14)
鋼管柱鉄塔の場合は下部に、
株式会社デジタルツーカー東北(黒塗りで消されている)
○局
○M 鋼管柱鉄塔
完成 平成○年○月
製作 ○株式会社
という記載の金属製表示板が設置されている物件と設置されていない物件があります。
高さは、3種類(30m、35m、40m)を確認しています。
柱には一定間隔でフシがついていますが、表示板のある物件では高さとフシの関係を確認することができます。
その結果、5mごとにフシがついていることがわかりました。
(2003/08/08)
(2004/08/24更新)
アングルトラス鉄塔の例としては、青森県南津軽郡平賀町大字小杉、青森県黒石市大字浅瀬石をご覧ください。
鋼管柱鉄塔の例としては、青森県弘前市大字新里、青森県青森市佃をご覧ください。
ほかにもあります。位置情報・推定発信元一覧
なお、マトリックスから形態別に撮影済みの全局を見ていくこともできます。
(2003/07/10)
以上の物件は、柵(フェンス)で囲まれ連絡先電話番号の書かれたJの表示がありますが、コン柱(コンクリート柱)やコン柱そっくりの細い鋼管柱(パンザマスト)に設置された物件では、無柵(フェンスなし)でJ表示なしだったりします。
あちこちの物件を見ていくうちに共通点が見えてきますが、ここでは、「柱にへばりついてる箱の表示(メーカー名?)が同じ」とだけ申し上げておきます。
と言いますのは、地区によって違いがある(※)ようですし、メーカーを特定することがこのサイトの目的ではない、というか、気が引けるからです。
(※)よそのサイトで、明らかに当地とは違う箱が取りつけられているのを見たことがあります。設置場所は沖縄だったような気がします。
(2003/08/13)
青森県南津軽郡常盤村大字若松の右はコン柱で、左はパンザマスト(細い鋼管柱)のようです。見た目はそっくりなので、コンコンとノックして確かめました(^^;
5 ビルの屋上のアンテナ
(2003/06/13)
屋上に直接設置されたアンテナ、柱状構造物に設置されたアンテナ、既存の鉄塔に寄生したアンテナが見られます。
(2003/07/10)
この段落のタイトルは本来“ビルの屋上の基地局”とすべきでしたが、ビル屋上の場合はほとんどアンテナしか見えないものですから、あえて“ビルの屋上のアンテナ”としました。
6 アンテナの種類
(2003/07/10)
(2003/10/26更新)
アンテナは、細長い筒状の物体に収められているような物件や一見PHS型(?)と思えるような物件(2本棒や4本棒)があります。
都会ではもっと珍奇な物件もあるそうですが、当地ではまだ発見されていません。
筒は、普通に見られる長さのほか、2倍くらいの長さのもの、半分くらいの長さのものが見られます。出力が大きくて遠くまで電波を飛ばすようです。ただし、短い筒は出力が小さいかも知れません。
PHS型は、よく見ると本家本元のPHSよりも棒の長さが短いようです。出力が小さくて筒の半分くらいしか飛ばないようですが、それでもビル2本程度は貫通するようですし、見晴らしのよい場所では数十キロ先のPHS型の位置情報を遠距離受信できることもあります。
アンテナの長さは電波の周波数と密接な関係があるそうで、専門メーカー(ANTEN株式会社)のHPに詳しく記載されています。
7 位置情報(北緯東経)の数
(2003/07/10)
(2003/12/21更新)
1つの基地局が発する位置情報(北緯東経)の数は経験上、1〜3個です。3個型は広い範囲をカバーする役割で、1個型はそれを補完する狭い範囲をカバーする役割のようです。したがって、2個型はあまり多くありません(※)。
(※)東京の中心部では2個型と1個型が圧倒的で、3個型はほとんどないようです(地域較差)。
3個の位置情報(北緯東経)を発する基地局(3個型) | 形態は、当地ではアングルトラス鉄塔や鋼管柱が主で、てっぺんにはおよそ6本の筒がついている例が多く見られます(基地局によってはIMT-2000の3本も加わって計9本のことがあります)。 ビルの屋上に設置された基地局では3本の筒(通常の2倍の長さ?)で3個発することがありますが、これは東京など都会のビル街ではほとんど見られないようです。 |
2個の位置情報(北緯東経)を発する基地局(2個型) | 見た目はなんら3個型と違いがなかったりしますから、外見で3個型と見分けることは難しいようです。 |
1個の位置情報(北緯東経)を発する基地局(1個型) | PHS型ではこれまで1個型しか確認されていません。 配線が1本だけの筒が3本以下の場合は1個型が多いようです。 |
(例外) | 青森県青森市大字野木(40m鉄塔)ではどうしても1個しか拾えませんが、これはかなり例外的な存在だと思われます。 |
8 ハンドオーバー
(2003/06/14)
携帯電話を持って移動すると基地局のアンテナとの接続が切り替えられていきますが(ハンドオーバー)、なるべく切り替えずに済むように仕組まれているようですから、いつまでも同じアンテナと接続したままだったりします。
この性質を利用すると、現在接続中のアンテナがどこまでのエリアを持つのか調べることができます。
逆に、現在地でどのアンテナが優勢かを調べるときは、強制的に接続を切り替えるためにいったんオフラインモード(または電源オフ)にしてから位置情報の更新と北緯東経の受信を行うのがよろしいかと思います。
9 アンテナと電波
(2003/06/14)
某廃人さんから「筒は指向性があって主に水平方向へ電波を飛ばす」、「PHS型はふつう無指向性」と聞きました。
ここに落とし穴があります。
筒がついた基地局(アングルトラス鉄塔、鋼管柱鉄塔など)の足元では、目の前に見えるアンテナでなく、別のアンテナに接続したりするからです。
筒は水平方向に電波を飛ばすと言ってもレーザー光線のようにストレートにのみ進むわけではなく、多少横や上下や後ろに漏れるようです。
基地局の足元でも感度3になるのは、こうした“漏れ電波”と接続するためと考えられます。目の前のアンテナより奥のアンテナの方が仰角が小さいわけですから、基地局の足元ではまるっきり反対側の(つまり奥の)アンテナと接続してもおかしくありません。
しかも、身近な知人は「電波の通り道がある、という言い方があります」とか「電波はゆらゆらと揺れてるようです」などと言います。「電波が不安定な状態では、毎回同じ結果になるとは限らない」ということを意味するようです。
ですから、基地局の足元ではアンテナからの電波の漏れ方は調査できても、目の前のアンテナと接続する目的には不都合と考えられます。
(2003/08/13)
(2004/11/23更新)
基地局からどの程度離れたら目の前のアンテナと安定して接続するかと言いますと、アンテナの高さと同じ距離ではまだ不安定なようで(仰角45度)、平気で隣りのセクターが飛び込んでくることがあります。
その2倍離れるとほぼ安定して目の前のアンテナと接続するようです(50m鉄塔では100m離れることになります)。
逆説的には、思いっ切り基地局に近づいて少しづつ移動して拾う方法も面白いかもしれません。
つまり、“漏れ電波”だけで位置情報(北緯・東経)を拾い切ろう、というわけです。
邪道かもしれませんが、都会のビル街では基地局が込み入ってますから、あまり引くと隣接局に襲われたりします。
そんなときは、窮余の一策かもしれません。
ただ、基地局の足元はそもそも電波が薄いわけですから、これまた隣接局に襲われることがあるそうです。都会の高層ビルの屋上に基地局がある場合などがそうでしょう。
むろん、地方のアングルトラス鉄塔や鋼管柱鉄塔などでは、そういう現象は殆ど起きないと思います。
あまり考えずにとにかく拾ってみて、それから状況次第で判断するしかないかもしれません。
「習うより慣れろ」ということもあります。
10 電波特性と工夫
(2003/09/07)
携帯電話用の電波は、周波数(※)が高いので直進性に優れますが、ビルの縁にぶつかると内側(ビル側)へ少し向きを変え(回折)、導体(金属など電気を通す物体)にぶつかると多少反射し、水分にぶつかると減衰します。
(※)周波数帯は、J-PHONEとTu-kaが1.5GHz帯で、auが800Mz帯で、DoCoMoが800Mz帯(大半)と1.5GHz帯(少し)です。
(以上、某廃人さんの受け売りです)
こうした現象は、周波数帯によって多少状況が異なるとしても、位置情報から発信元をつきとめるという観点からはあまり気にしない方がいいかも知れません。
目に見えない電波を追いかけるだけでも十分やっかいなわけですから、さらに条件を増やして問題を複雑化させるのは得策ではない、と思うわけでして、逆に問題を単純化させていく工夫が必要と考えます(ここでこれ以上抽象論を展開しても無意味ですね)・・・(^^;
「携帯電話は、見通しの良いアンテナと接続し、見通しの悪いアンテナとは接続しないが、距離や遮蔽物などの条件が同じなら出力の大きいアンテナが優先する」と言えば、「何を当たり前のことを言っているのだ」などとご指摘を受けそうですが、結局それしかないと思います。
むろん、屋外でも屋内でも同じことです。
どこで何が拾えるのか情報をかき集めていけばやがて発信元の位置が見えてきますが、ある程度発信位置を想定しながら拾っていく工夫が必要だと思います。
想定位置を見通せる別の場所で同じ位置情報を拾えればその想定位置が発信元である可能性が残りますが、別の位置情報が出た場合は振り出しに戻ります。
ただし屋外で小形局を探すときは、大型局との位置関係に注目し、大型局の電波をあまり浴びないようにビル陰に隠れたりする工夫も必要です。
そんなことを繰り返しながら、発信元の所在をつきとめていきます。
むやみに拾い捲ると効率が悪いだけでなく、わけわからなくなったり迷路へはまったりします。
やっかいなのは、屋外の電波が屋内へ侵入したり屋内の電波が屋外へ漏れたりするケースです。
そういうこともあって、新宿西口や名古屋東口のように屋内と屋外の境界が判然としないような構造は、私的にはビビリますね(^^;
しかも、基地局からの電波が不安定な場所だけでなく一見なんでもないような状況下でも、普通ならとても届きそうもない位置情報がひょっこりと飛び込んできたりしますから、ビル街を調査中だと誤診の原因になりかねません。
一方この現象は、遠距離受信に一役かっていますから、そういう意味ではありがたいことですが・・・
(2003/09/28)
「携帯電話をご利用の際は、アンテナをまっすぐに立てて…」という能書きはどのキャリアの説明書にも出てきますが、理由は、携帯電話はアンテナから直角方向へ電波を送受信するからです。
今ころになって、この性質を利用する方法があることに気がつきました。
自宅や仕事先で複数の基地局の位置情報を拾うことは、よくあることですが、携帯電話のアンテナをわざと水平方向にして基地局の方を向き、いったんオフラインモードにしてから位置情報を拾い直すと、別の基地局の位置情報を拾えることがあります。
(私事恐縮ですが、私はこの方法で、自宅を囲む3局の位置情報を簡単に拾うことができました。ふだんは、そのうち1局が8割以上優勢であるにもかかわらず…)
つまり、現在地で優勢な基地局を探すためには携帯電話のアンテナを垂直にするのが良さそうです。
逆に、大型局の電波を避けたいときは携帯電話のアンテナを大型局へまっすぐ向けるのが良さそうですが、電波は水分で減衰しますから、自分の身体や頭部で電波を遮断する方法もあるわけで・・・いったいどっちを向けばいいのか、なんだか自分でもワケわからなくなってきました。
試行錯誤により経験を重ねてカンを養う、としか言いようがない、といったところでしょうか…(^^;
11 基地局の調査開始
(2003/06/14)
以上の知識を現場で応用することで、位置情報の発信元をある程度特定することができます。
アングルトラス鉄塔や鋼管柱鉄塔などは、フェンスで囲まれJ表示のプラスチック板(連絡先あり)がついていますから、調査は簡単です。
その物件にたどりつけばそれでおしまいですから。
ビルの屋上の基地局は、複数の北緯東経を発する場合は少し遠巻きに一周すればアタリかハズレかだいたいわかります(むろん、1回づつオフラインモード(または電源オフ)にしてから位置情報と北緯東経を拾います)。
難しいのは、北緯東経を1個しか発しない基地局(1個型)の所在の推定です。
住宅地や郊外の地上にある場合はさほどでもありませんが、街中のビル屋上にある場合は状況次第では推定不可能かもしれません。
このタイプは当地では、PHS型が圧倒的ですが、筒1〜4本ということもあります。
以下、調査実例を掲載しました。
掲載日 | 更新日 | 調査実例(青森県) |
---|---|---|
屋外 | ||
2003/06/26 | 2003/09/14 | 21-22下白銀町、18-18下白銀町、16-24下白銀町の所在 |
2003/06/14 | 2003/06/24 | 北川端町の所在 |
2003/06/22 | 2003/10/26 | 26-57安方、26-49安方、23-53安方の所在 |
屋内 | ||
2003/09/07 | 2003/11/03 | 新町の所在 |
2003/10/26 | − | 城東北の所在 |
12 「基地局探し」その後
(2003/10/19)
調査実例では、全知全能を駆使して位置情報(北緯東経)からその発信元を追いかけたつもりでしたが、誤診だらけの道筋を歩いてしまいました。
“26-57安方、26-49安方、23-53安方の所在”探しでわかったことは、「最後はアンテナの形状や結線、周辺機器(箱)の状況などで判断するしかない」ということです。
位置情報だけでの基地局探しには、やはり限界がありますね(^^;
(2003/10/19)
発信元である基地局については、企業秘密や個人のプライバシーに属する事項を除き、免許を与えた総務省が“電波利用ホームページ ”でその概略を公開していますから、免許期間、送受信所(基地局)の所在市町村名、制御所の所在市町村名、電波の型式・周波数・空中線電力(出力)を知ることができます。
局名や所在の詳細などはわかりませんが、PDCとIMT-2000が別の免許になっているようですから、未知の基地局を探し求めるときには有力な判断材料になりそうです。
(2003/11/03)
“電波利用ホームページ ”中「無線局免許状情報」から、青森県では次のような状況であることがわかりました。
(1)PDC(1.5GHz帯)の出力(空中線電力)は、3w、2.5w、0.1w(2.5wはマイクロ局、0.1wは超マイクロ局(屋内局)と推定)。
(2)IMT-2000(2GHz帯)の出力は、20w、8w(8wはマイクロ局と推定)。
(注)観光地では冬季間に停波する基地局もあるそうですから、これらの出力は免許を得た最大出力であると考えられます。
13 移動受信のコツ
(2004/07/10)
鉄道や道路で移動中、ウェブアクセス回数を節約しながら異なる位置情報を数多く受信するコツです。
遠征記:日本縦断(北陸・山陰・九州・岡山)(2004/01/24-30)中、最後の段落
(注)SHARPの携帯電話では位置情報履歴の1件削除ができますが、他社の携帯電話では1件削除ができなかったりあるいは位置情報履歴自体がなかったりするようです(当方では、詳細不明)。