乗りつぶし 第19話 2011/9/3-14 北陸・北海道
(2011/09/17記)

 北陸&北海道という、ロンパリな乗りつぶし旅行を企ててしまった。
 福井県などと北海道を結ぶフェリー(敦賀〜苫小牧、舞鶴〜小樽)に乗ってみたいというのも理由の一つだった。
 家族は、あきれて何も言わなかった。

 9/3から9/6までは大人の休日倶楽部パス(東日本・北陸、新幹線(はやぶさを除く)と特急乗り放題、連続4日、15,000円)を、9/7は敦賀発苫小牧行きのフェリー(9,300円)を、9/8から9/14までは北海道&東日本パス(普通列車限定、連続7日、10,000円)を利用することにした。

 北海道の乗りつぶしは、JR富良野線全区間に乗れば完了なので、実は7日も要らなかった。だが、北海道の大自然などの景色はいくら見ても飽きない。7日かけて、廃線跡を走る路線バスなどまだ知らないルートに乗ってみることにした。

(乗りつぶし予定)
JR富良野線(全区間:富良野〜旭川)
JR氷見線(全区間:高岡〜氷見)
JR七尾線(全区間:津幡〜和倉温泉)
JR越美北線(全区間:越前花堂〜九頭竜湖)
上信電鉄上信線(全区間:高崎〜下仁田)
富山地方鉄道本線(寺田〜新魚津)
富山地方鉄道不二越線(全区間:稲荷町〜南富山)
富山地方鉄道上滝線(全区間:南富山〜岩峅寺)
富山地方鉄道軌道線本線(西町〜南富山駅前)
富山地方鉄道軌道線支線(全区間:富山駅前〜丸の内)
富山地方鉄道軌道線安野屋線(全区間:丸の内〜安野屋)
富山地方鉄道軌道線呉羽線(全区間:安野屋〜大学前)
富山地方鉄道軌道線富山都心線(全区間:丸の内〜西町)
富山ライトレール富山港線(全区間:富山駅北〜岩瀬浜)
万葉線新湊港線(全区間:越ノ潟〜六渡寺)
万葉線高岡軌道線(全区間:高岡駅前〜六渡寺)
のと鉄道七尾線(全区間:七尾〜穴水)
北陸鉄道浅野川線(全区間:北鉄金沢〜内灘)
北陸鉄道石川線(全区間:野町〜鶴来)
えちぜん鉄道勝山永平寺線(福井口〜勝山)
福井鉄道福武線(全区間:越前武生〜田原町)
福井鉄道福武線[駅前線](全区間:市役所前〜福井駅前)

訪問年月日記        事
2011/09/03

 大宮乗換、新幹線と特急で富山県・魚津へ向かう。途中、高崎から上信電鉄に乗る。

05:19弘前発→(JR奥羽本線)→06:08青森着

 青森〜八戸は、JR(国鉄)時代の東北本線に乗車しているので、いまさら乗車するまでもなかった。しかし、移管された別の会社(青い森鉄道)が旅客列車を運行していると思うと、なんだかあずましくない。実際、青い森鉄道の列車にはまだ乗車したことがない。
 そんな悩むなら、青い森鉄道に乗車してしまえばよいではないか。

06:34青森発→(青い森鉄道)快速→07:52八戸着

 乗車した列車は、快速。JR時代の青森〜八戸は、特急が走っていたため快速はなかった。
 この列車、快速というだけあってさすがに速い。目一杯加速して目一杯走りまくった。
 車両は、JR時代のものを利用しているという。
 乗車した車両は、セミクロスシート。改造したようで、クロスシートとロングシートが直列でなくて並列という珍しい配置となっている。

 八戸に着くといつものくせでつい、駅弁・小唄寿司を買った。やはり美味。

08:00八戸発→(JR東北新幹線)はやて156号→11:10大宮着
11:38大宮発→(JR上越新幹線)とき319号→12:03高崎着

上信電鉄高崎駅
12:28高崎発→(上信電鉄上信線)→13:29下仁田着

上信電鉄南蛇井駅

 「駅長」の下方に「なんじゃい」と書いてある看板を発見。
 これは、駅長が「なんじゃい」(何か用か?)と言っているのではなく、駅名が南蛇井(なんじゃい)であるというだけのこと。


上信電鉄下仁田駅

上信電鉄下仁田駅

 終点・下仁田駅では、小雨。のどかな終着駅で、駅前では発車待ちの路線バスの運ちゃん同士がおしゃべりしていたり。
 付近にはこんにゃくの看板が見えた。群馬県の特産。

14:00下仁田発→(上信電鉄上信線)→14:59高崎着
15:44高崎発→(JR上越新幹線)たにがわ415号→16:14(遅16:15)越後湯沢着
16:34越後湯沢発→(JR上越線・信越本線、北越急行ほくほく線、JR北陸本線)はくたか18号→18:24(遅18:26)魚津着

カレーショップ・モルトとJR魚津駅

 魚津駅前、カレーショップ・モルトを訪れた。
 ここの主人も旅行好きだという。
 こくのある美味なるカレーだった。1週間かけてカレールーを煮込むのだという。

2011/09/04

 富山地方鉄道、富山ライトレールに乗ってから高岡へ向かい、万葉線に乗る。

 富山地方鉄道新魚津から終点・電鉄富山までは、本線に乗れば1時間もかからない。
 それをあえて乗りつぶしのため、2回乗り換えて1時間半かかる遠回りの寺田、岩峅寺経由で進む。

06:30新魚津発→(富山地方鉄道本線)→07:05寺田着

 本線と立山線の分岐点・寺田駅は、三角形の2辺にホームがあって、線路はその先で合流する。
 この形状は、近江鉄道(滋賀県)など私鉄では見たことがある。JR線ではまだ見たことがない。

07:13寺田発→(富山地方鉄道立山線)→07:31岩峅寺着
07:32岩峅寺発→(富山地方鉄道不二越線・上滝線・本線)→08:02電鉄富山着

 富山市観光案内所は、8時半からの営業。
 コインロッカーに荷物を入れたり時間つぶししたのち、案内所に戻って富山まちなか・岩瀬フリーきっぷを購入。800円で富山ライトレールと富山地方鉄道市内線(路面電車)の全区間に乗れるほか、富山地方鉄道鉄道線の一部とバス路線の一部にも乗れるお得なきっぷ。


富山ライトレール富山駅北駅から富山駅北口を望む

 富山ライトレールは、廃線となったJR富山港線の路線を利用した路面電車。富山駅からちょっと北までの区間の線路を切ってしまったため、路線延長はJR時代よりも短いようだ。低床2連のモダンな車両が15分おきに運行され料金は一律200円で、地域の利用者にとって使い勝手はよさそう。乗客は多かった。
 ここでも、1997/7/21にJR富山港線に乗ったことをもってこの路線に乗ったことになるのか悩んでしまう。もちろん、悩んでも乗ってしまうだけなのだが。

08:45富山駅北発→(富山ライトレール富山港線)→09:09岩瀬浜着

富山ライトレール岩瀬浜駅

 終点・岩瀬浜駅は、ほかの駅と同じくJR時代の古ぼけた駅舎はなくなり、ガラス張りの明るくてコンパクトなものになった。


北前船廻船問屋・森家

 岩瀬浜駅から歩いて北前船廻船問屋・森家へ向かった。
 そこは、観光バスも発着する観光スポットで、古い街並みも残っていた。


踏切(左)、旧JR東岩瀬駅(中央)

 さらに歩いて東岩瀬駅の西側にたどりついた。
 ここは、終点・岩瀬浜駅の2駅隣りで、踏切の南側にJR時代の駅舎(現在は休憩所として利用)・ホームと富山ライトレール上り専用ホームがあって、踏切の北側に富山ライトレール下り専用ホームがある。


富山ライトレール東岩瀬駅上り専用ホーム(左)、旧JR東岩瀬駅・ホーム(右)

 富山ライトレールは低床のため、旧駅の高いホームは使えない。

10:03東岩瀬発→(富山ライトレール富山港線)→10:25富山駅北着

 富山駅に戻り、地鉄ビル1階のドトールで一休みしたのち、富山市内を走る路面電車に乗車。
 ここの電車も低床で、富山ライトレールとよく似たつくり。

11:32富山駅前発→(富山地方鉄道軌道線支線・軌道線安野屋線・軌道線呉羽線)→11:44(遅11:46)大学前着
11:52大学前発→(富山地方鉄道軌道線呉羽線・軌道線安野屋線)→11:58丸の内着

 丸の内から西町までは、2009/12/23に開業した富山都心線という新線で、単線。
 電車の運行は、丸の内から西町への方向のみで、富山駅→丸の内→西町→富山駅という左回りの環状運行が行なわれている。

12:04丸の内発→(富山地方鉄道軌道線富山都心線・軌道線本線)→12:12荒町着

 南富山駅前へ向かうときとか西町で本線に乗り換えようとしても、それはできない。
 富山都心線の線路はたしかに西町で本線に合流するのだが、そこには富山都心線用の乗降ホームは設置されていなくて電車は無情にも通過してしまう。
 このため乗換は、1駅隣の荒町ですることになる。


池田屋安兵衛商店

 雨降り。
 時間に余裕があるので荒町から歩いて西町まで戻り、2つのビルにはさまれた池田屋安兵衛商店という老舗を外からチラ見。土産を物色する観光客が入り込んでいた。

 一方、目当ての月世界本舗は、休みだった。

12:45荒町発→(富山地方鉄道軌道線本線)→12:54(遅12:57)南富山駅前着

 不二越線・上滝線の分界点である南富山駅と市内電車の南富山駅前駅は、駅舎が同じ。
 市内電車はここでスイッチバック運行し、その隣では電鉄富山発着の電車が行ったり来たり。

13:31南富山駅前発→(富山地方鉄道軌道線本線)→13:45(遅13:46)富山駅前着

 富山駅に戻り、お気に入りの菓子・月世界(つきせかい)を駅ビル2階で買い求め、コインロッカーから荷物を出した。

14:19富山発→(JR北陸本線)サンダーバード30号→14:30高岡着

万葉線高岡駅前駅、JR高岡駅(右奥)

 万葉線の電車も、富山ライトレールとよく似たつくり。

14:45高岡駅前発→(万葉線高岡軌道線・新湊港線)→15:27越ノ潟着

万葉線列車交換

 記念にと思って車内で1日フリーきっぷ(800円)を購入。終点まで片道350円なので、お得にはならない。
 土・日・祝日は、地元・立川志の輔の声で駅名などの案内放送が入る。見所の紹介を交えて軽妙な乗り。
 乗客は少なかった。


万葉線越ノ潟駅

 終点・越ノ潟駅に着いたら、雨ざーざー。


新湊大橋(工事中)

 近くでは、大きな斜張橋「新湊大橋」が建設工事中。

15:45越ノ潟発→(万葉線新湊港線・高岡軌道線)→16:27高岡駅前着

 雨降りなので、土蔵造りの町並み見学は取り止めた。

2011/09/05

 JR氷見線とバスで七尾へ行き、のと鉄道、JR七尾線などで金沢へ行き、北陸鉄道の2路線に乗る。

06:53高岡発→(JR氷見線)→07:21(遅07:22)氷見着

 JR氷見線は能登半島の東部を北進し、所々で海岸線のよい景色が見えた。


バス停・氷見駅口から北方向

 雨ざーざー。
 バス停・氷見駅口は、JR氷見駅から西へ200メートル少々進んだあたりにあった。

 バス停から西側を見ると、奥まったところに西光寺というお寺があった。

07:41(遅07:48)氷見駅口発→(加越能鉄道バス)→08:14脇着

 脇行きバスは7分遅れてやってきたので、脇で乗継できるか少し心配。乗客はわずか。


バス停・脇のあるY字路
加越能鉄道バスのバス停(左)、乗継の北鉄能登バス(右)

 バスは定時に終点・脇に着き、一安心。
 乗継のバスは、すでにバス停に止まっていた。こちらも乗客はわずかだった。

08:20(遅08:21)脇発→(北鉄能登バス)→08:58七尾駅着

JR七尾駅、のと鉄道の列車

 JR七尾駅でのと鉄道の列車に乗車。
 隣の和倉温泉駅までは、JRの特急とのと鉄道の普通列車が運行されている。

09:49七尾発→(のと鉄道七尾線)→10:28穴水着

のと鉄道能登中島駅

 中島駅には、昔の郵便車が置かれていた。


のと鉄道穴水駅北側踏切

 終点・穴水駅からは以前、北の輪島へ向かう七尾線と北東の蛸島へ向かう能登線があったという。駅の北側の踏切からその路線方向を眺めてみた。

 穴水は静かな町で、ひとけも少ない。
 時間があるので、川の右岸の道を海のほうへ進んでみた。
 道の突き当たり、もうじき海という所で、道はいきなり直角に右折。そこには、車止めと「この先海」との看板があった。以前誤って海へ突っ込んだ車があったのだろうか。

12:03穴水発→(のと鉄道七尾線)→12:36和倉温泉着
13:01和倉温泉発→(JR七尾線・北陸本線)サンダーバード28号→14:09金沢着

北陸鉄道北鉄金沢駅

 北陸鉄道浅野川線北鉄金沢駅の入口は、JR金沢駅の地下を横断する地下道にあった。
 乗客は、高校生が多かった。

14:30北鉄金沢発→(北陸鉄道浅野川線)→14:47内灘着

 電車は、北鉄金沢駅を出るとすぐ、地上に顔を出した。


北陸鉄道内灘駅
14:56内灘発→(北陸鉄道浅野川線)→15:13北鉄金沢着

 北陸鉄道石川線に乗るため、金沢駅西口から野町駅行きのバスに乗車。
 北鉄金沢駅から野町駅まで鉄路で結ばれれば便利だと思うのだが、北陸鉄道にはその気はないらしい。

15:44(遅15:46)金沢駅西口発→(北鉄金沢中央バス)→16:10(早16:07)野町駅着

北陸鉄道野町駅

 野町駅でも乗客の多くは高校生だった。

16:22野町発→(北陸鉄道石川線)→16:53鶴来着

北陸鉄道鶴来駅

 鶴来駅は、けっこう風格がある。横には碑もあるし、玄関の屋根下には鳥の巣もある。
 もうじき文化財になってよいのではないだろうか。

17:20鶴来駅発→(加賀白山バス)→17:49松任駅着

 鶴来駅から松任駅までバスで移動。乗客はわずか。
 鶴来駅を出て少し進むと、廃線跡が見えた。おそらく、廃線となった鶴来〜加賀の一部だろう。

17:57松任発→(JR北陸本線)→18:08金沢着

 これで今日は、のと鉄道と北陸鉄道浅野川線以外は、後戻りなしで進むことができた。

2011/09/06

 JR越美北線、えちぜん鉄道勝山永平寺線、福井鉄道などに乗り、敦賀へ向かう。

08:05金沢発→(JR北陸本線)サンダーバード10号→08:47福井着

JR福井駅、九頭竜湖行き

 越美北線と長良川鉄道(越美南線)は、以前はバスで連絡できたという。九頭竜湖も眺められてさぞよかったのではないだろうか。
 そのバス路線はとっくに廃止されたので、今では終点から戻ってくるしかない。中には徒歩数時間で連絡した強者もいるという。むろん、当方にはその体力も時間もない。
 越美北線の全区間を運行する列車は、1日往復4本。
 福井からその日のうちに往復できるのはそのうち3本で、運行間隔は3〜4時間。
 今日は天気がよく、台風の影響を受けてやっかいなことになるおそれはなさそうだが。

09:08福井発→(JR北陸本線・越美北線)→10:46九頭竜湖着

柿ケ島駅、第一九頭竜川橋りょう

 第一九頭竜川橋りょうを渡ってすぐ柿ケ島駅に停車。九頭竜川が見えた。


JR九頭竜湖駅(中央)

 九頭竜湖駅は、山あいのしゃれた木造駅舎。

10:58九頭竜湖発→(JR越美北線・北陸本線)→12:22福井着

えちぜん鉄道福井駅

 2009/11/08、えちぜん鉄道福井駅ホームのベンチに腰かけるオブジェ(白衣を着た恐竜くん)を見た。彼は、今日も健在で読書中。

12:56福井発→(えちぜん鉄道勝山永平寺線)→13:49勝山着

えちぜん鉄道勝山駅

 勝山駅前は工事中。駅構内の踏切に近い場所に昔の貨車が保存されていた。

14:20勝山発→(えちぜん鉄道勝山永平寺線)→15:09福井口着
15:14福井口発→(えちぜん鉄道三国芦原線)→15:18田原町着

福井鉄道田原町駅

 田原町と越前武生を結ぶ福井鉄道は、市役所前から福井駅前まで枝線(通称「駅前線」)がある。
 多くの場合、田原町発着の電車はこの枝線を往復してくれるので、乗り換えなしで福井鉄道の全区間に乗車できる。

15:23田原町発→(福井鉄道福武線・福武線[駅前線]・福武線)→16:28越前武生着

連結器

 乗車した電車は、2両編成。連結器の足元も通路も円形になっているのが珍しい。
 電車は、福井市街地では路面電車としてのんびり走り、郊外へ出て線路が道路から外れると普通の電車としてやや速度を速めて走った。

 武生までは、周辺の景色も見たいので日没前に着いておきたかった。
 それにしても早く着きすぎた。
 ざるそばを食べたり、食料を買い込んだり、ぶらぶらしたりして時間が経つのを待った。

19:07武生発→(JR北陸本線)→19:39敦賀着

JR敦賀駅

 敦賀駅構内には大型クレーンが設置されていた。何か建物でも作るらしい。

 フェリー乗り場行きのバスは、なかなか来ない。待ち人は約4人。
 近くでバスを待つ紳士が携帯電話で問い合わせ、「フェリーの入港が遅れているため降りた客を運ぶバスも遅れている。折り返し、フェリー乗り場行きとなる。もうじき来そう」と親切に教えてくれた。

21:55(遅22:06)敦賀駅発→(福鉄バス)→22:10(遅22:19)敦賀新港着

新日本海フェリー「すずらん」

 敦賀新港フェリーターミナルでは、今日のすずらんは台風の影響で遅れて運航していること、日本海海上は時化模様であることなどを書いた掲示板が置かれていた。
 チェックインするときカウンターで混み具合を聴いたところ、乗船率は半分くらいとのこと。

2011/09/07

 2つある2等船室のうち、左の方に入った。定員が16人くらいのところ、乗客は5人だけ。

01:00敦賀新港発→(新日本海フェリー[すずらん])→20:30(遅20:55)苫小牧東港着

 1時:出港・酒酔い
 2時:就寝
 5時半:起床・船酔い
 11時:船酔いから回復・昼食・ときどき昼寝
 14時半:竜飛岬沖
 16時半:大間崎沖
 17時半:夕食・酒酔い
 18時:恵山岬沖
 21時:入港


新日本海フェリー「すいせん」とすれ違い

「すずらん」後部デッキ
20:40(遅21:00)苫小牧東港周文フェリーターミナル発→(苫小牧市営バス)→21:20(遅21:35)JR苫小牧駅前バスターミナル着

 苫小牧東港からJR苫小牧駅前までは、30キロ。とても歩ける距離ではない。
 バスで約40分・700円だった。

2011/09/08

 新得、富良野経由で旭川へ向かう。

06:12苫小牧発→(JR室蘭本線)→06:48追分着

 北海道は、高い山が少なくなだらかな丘陵地帯が多くて、鉄道のトンネルは少ない。
 行けども行けども緑の林が続く。せせこましい地形が多い本州からみると、北海道全域が国立公園でもよいように思えてくる。

07:08追分発→(JR石勝線)→07:41新夕張着
08:58新夕張発→(JR石勝線)とかち1号→10:05新得着

 なぜか、新夕張〜新得の区間が気に入っている。
 この区間は特急しか走らないため乗車券や青春18きっぷ、北海道&東日本パスだけで特急に乗車できる特例があること、駅間距離が長いこと、山間部でトンネルが多いことなどがその理由だろうと思う。

10:12新得発→(JR根室本線)快速狩勝→11:34富良野着

JR富良野駅、SL列車

 JR富良野駅構内には、SL列車が休んでいた。


カレーショップ・唯我独尊

 駅から歩いて5分ほどのところにあるカレーショップ・唯我独尊を訪問。
 入ってみてやや驚いた。足元はほとんど砂利道状態。斜めに張ったテントの奥に古びた2階建てログハウスが隠れている。そこが店なのだった。テントの下で食事している家族などもいた。
 野趣あふれるそのたたずまいに、異空間に迷い込んだような錯覚を覚えた。

 テント下のテーブルにつき、ポークカレーを注文。出てきたカレーは、大き目のやわらかい角切りポークがいくつか無造作に転がり、ご飯の頂点にはかぼちゃの角煮が乗り、ルーは黒ずんだ草色で、しこたま辛い。ご飯に少し付けるだけで足りる。ルーはお代わりできるようだが、とんでもない話。
 マニアックな味がした。
 とても落ち着く空間なので、ここでしばし休憩した。

13:12富良野発→(JR富良野線)→13:49美瑛着

JR美瑛駅

 美瑛駅は、白い石でできているのだろうか。しゃれた造りだ。
 コインロッカーに荷物を入れ、いざ出陣。


交差点

 ここでは、レンタサイクルで動き回るのが王道らしい。
 歩いてケンとメリーの木へ向かう途中、何台かのチャリとすれ違った。
 歩行者は自分以外、ほとんどいなかった。


喫茶店(左)、ケンとメリーの木(右)

 徒歩約40分でケンとメリーの木に着いた。
 ちょうどよいお立ち台がある喫茶店が交差点に建っていて、入口には「喫茶店の利用者以外は入るな」みたいな掲示がある。
 近くには駐車場もあって観光バスが止まり、観光客が歩き回っていた。


ケンとメリーの木

 道路脇、広い草原の端に立つ大きな木がケンとメリーの木。
 こんな木を観光スポットにしてしまうあたりがいかにも北海道だな、と妙に感心してみたり。

15:23美瑛発→(JR富良野線)→15:55旭川着
2011/09/09

 富良野、帯広、釧路経由で納沙布岬へ行き、釧路まで戻る。

05:47旭川発→(JR富良野線)→07:08富良野着
07:20富良野発→(JR根室本線)→10:03(遅10:05)帯広着

JR幾寅駅

 幾寅駅は、「鉄道員(ぽっぽや)」のロケで幌舞駅として演出されたもの。


狩勝峠付近

 狩勝峠を過ぎたあたりの眺望は、とても広大だ。
 鉄道廃線跡を歩く(全10巻)の編者である宮脇俊三氏の最後の取材先は、この狩勝峠になるはずだった。ところが氏は、取材の1週間前に病に倒れて取材は幻に終わり、氏はその後逝去された(宮脇俊三編、「鉄道廃線跡を歩く」第10巻、JTB、(2003年)より)。
 そんなことを思いながら、あたりの広大な景色を眺めた。

10:08(遅10:10)帯広発→(JR根室本線)→12:56(遅12:57)釧路着
13:11釧路発→(JR根室本線)→15:28根室着

 駅前の根室市観光インフォメーションセンターで納沙布岬までの往復乗車券を購入。片道1,040円のところ往復で1,880円なので、200円お得。

15:55根室駅前ターミナル発→(根室交通バス)→16:39納沙布岬着

納沙布岬

 納沙布岬は、霧の中で、ほとんど何も見えない。視界は30メートル程度か。灯台を示す矢印のほうを向いても、何も見えなかった。
 あとで聞くと、納沙布岬はいつもそうなのだという。

16:50納沙布岬発→(根室交通バス)→17:33(早17:29)市役所前着

 根室駅に戻って待合室で休んでいたところ、駅員が入ってきて「根室へ向かう列車がシカと接触して遅れている」と口頭でアナウンス。待合室に居合わせた数人は、無反応。
 ここでは、よくあることで、何も珍しくないのだろう。
 列車は約5分遅れて到着し、何事もなかったように定時に折り返した。

19:10根室発→(JR根室本線)→21:38釧路着
2011/09/10

 池田、陸別、北見、遠軽経由で紋別へ向かう。

05:45釧路発→(JR根室本線)→08:11池田着

 釧路から乗車したオッサンは、なにかと忙しい。短髪をなで上げながらニコニコ顔で動き回っている。
 少しでも停車時間があるとホームに降り立ち、三脚に据えたコンパクトデジカメで自分撮りしているのだ。
 鉄ちゃんの楽しみ方は、色々あるものだと思う。

 帯広から、幼児と親の集団が乗り込み、車内はにぎやかというかうるさいというかすごい音量に。
 でも、誰も気に止めないあたりが北海道らしくて大らかでいいのかも、と妙に感心してみたり。


JR十弗駅

 十弗は、十$(10ドル)と読めそうな名前。実際の読みは「とおふつ」。

 池田駅から北見駅までは、北海道ちほく高原鉄道の廃線後、路線バスが走っている。陸別までが十勝バス、陸別からが北海道北見バスの運行。

08:46池田駅前発→(十勝バス帯広陸別線)→10:37陸別着

足寄

 足寄では、レールが少しと駅舎が残されていた。前後を切られて残ったレールが痛々しい。


陸別

 陸別は、道の駅となっている。


陸別

 道の駅の裏手には、レール、ホーム、跨線橋、車両などが残され、体験乗車が行なわれていた。今すぐにでも原状復帰できそうで雰囲気がよかった。

10:50陸別発→(北海道北見バス訓子府置戸勝山陸別線)→12:24(早12:23)北見バスターミナル着

 陸別から、たたんだチャリを携えた旅行客らしきオッサンが乗車。
 陸別を出てまもなくすると今度は、大きなリュックを背負った女性4人組が乗車し、やがて4人とも居眠りし始めた。山でキャンプでもしてきたのだろうか。
 徐々に高校生が乗り込み、北見市内では立ちんぼの乗客も。

13:24北見発→(JR石北本線)→14:53遠軽着

JR金華駅

 金華駅には、「常紋トンネル工事殉職者追悼碑、昭和55年11月建立、駅より300m」との表示板あり。

 列車は、その常紋トンネルに進入。亡霊は、現れなかった。


JR遠軽駅

 遠軽駅は、高架でもないのに少し位置が高い。
 この駅は、名寄本線(遠軽〜中湧別〜猪滑〜興部〜名寄)が廃線となったため、結果的にスイッチバック駅となってしまった。

15:40北海道北見バス遠軽営業所発→(北海道北見バス)→17:05(遅17:06)紋別バスターミナル着

紋別の日暮れ

 紋別に着き、まもなく日は暮れた。

 2010/07/27、かにっこのおまかせ定食が美味だったので、再訪して同じものを賞味した。

2011/09/11

 興部、名寄経由で稚内へ向かう。


紋別

 旧紋別駅は、オホーツク氷紋の駅というショッピングセンターに変わり、当時の面影を残すものはほとんど見当たらない。


紋別

 わずかに、オホーツク氷紋の駅の南側に、駅名標などが残されているだけ。

10:04(遅10:08)紋別バスターミナル発→(北紋バス)→10:45(早10:44)興部着

 興部は、道の駅となっている。その裏手にはジーゼルカー2両が置かれ、休憩所または宿泊施設として利用されていた。

10:50興部発→(名士バス興部線)→12:22(早12:20)名寄着
12:33名寄発→(JR宗谷本線)→13:34音威子府着

 名寄駅では、インテリメガネの鉄子らしきお嬢様も乗車。携帯電話で駅弁の中身を撮影したり、ノートに何かメモったり、やがて居眠りしたり。

 音威子府で途中下車し、有名な黒い駅そばを賞味。同好らしき者が数名いた。駅そばとあなどるなかれ。けっこうおいしいではないか。

 音威子府では、この駅そばを賞味したのち次の16:31発普通列車で稚内へ向かう予定だった。
 ところが、一服してから駅に戻ると、下車したさっきの列車がまだそこにいる。21分停車であることに気がつかなかったのだ。
 いそいそとさっきの列車に乗り込み、稚内へ向かった。2時間半ほどもうけた。

13:55音威子府発→(JR宗谷本線)→16:59(早16:58)稚内着

日暈、利尻富士

 抜海駅を過ぎてまもなく、西の空には大きな日暈をかぶった太陽が浮かび、その隅には利尻富士が見えた。
 日暈は雨の予報だというから、明日は天気が悪いのだろうか。

 稚内には、予定外に早く着いてしまった。
 おかげで近くの市場で、家事都合による利尻昆布の購入ができた。次の列車で来ていれば、この市場は閉店後だったはずなので。

18:13(早18:12)稚内駅前発→(宗谷バス)→18:16(遅18:17)鈴蘭幼稚園前着
2011/09/12

 豊富、留萌、深川経由で旭川へ向かう。

06:28南稚内発→(JR宗谷本線)→07:09豊富着

利尻富士

 曇り。
 何回眺めても利尻富士は、美しい。


JR豊富駅

 豊富駅は、玄関先・徒歩7歩の位置にバス停が置かれていた。


JR豊富駅前の廃車

 駅前には、廃車も置かれていた。

 留萌行きの次のバスまでだいぶ時間がある。
 バスで原生花園まで行ってみた。

08:25豊富駅発→(沿岸バスサロベツ線)→08:44稚咲内第2着

原生花園

 原生花園は、230平方キロメートルという莫大な広さ。正方形だと15キロ四方ということになる。
 花が咲いている時期に見たいものだと思う。

09:11稚咲内第2発→(沿岸バスサロベツ線)→09:30豊富駅着
10:35豊富駅発→(沿岸バス豊富留萌線)→14:19(遅14:20)留萌駅前着

 豊富駅から留萌駅前までのバスは、旧羽幌線のルートをたどり、所要時間は3時間半少々。路線バスとしては、ずいぶん長い。乗客は、ごくわずか。


モオタコシベツ川の橋(手塩金浦〜歌越)

 旧羽幌線・旧手塩金浦駅と旧歌越駅の間のモオタコシベツ川の橋が見えた。コンクリートの立派なものだったようだ。


トンネル(手塩大沢〜豊岬)

 旧羽幌線・旧手塩大沢駅と旧豊岬駅の間のトンネルが見えた。坑口には柵なし。


金駒内橋梁(豊岬〜初山別)

 旧羽幌線・旧豊岬駅と旧初山別駅の間の金駒内橋梁が見えた。堂々たるもの。


トンネル(古丹別〜力昼)

 旧羽幌線・旧古丹別駅と旧力昼駅の間のトンネルが見えた。坑口には柵あり。

 豊富から留萌まで乗り通したのは、自分だけだった。
 留萌駅へ行き、頭髪の薄い人などに人気だという、終点・増毛駅の入場券を購入。ご利益があるといいのだが。

16:14留萌発→(JR留萌本線)→17:13(遅17:15)深川着
18:10深川発→(JR函館本線)→18:37旭川着
2011/09/13

 滝川、新十津川、石狩月形、札幌経由で小樽へ向かう。

06:25旭川発→(JR函館本線)→07:10滝川着
07:54(遅07:57)滝川ターミナル発→(北海道中央バス滝新線)→08:09(遅08:13)新十津川町役場着

新十津川駅

 晴れ。
 新十津川駅から石狩沼田駅までは、すでに廃線となっている。
 線路は、列車が通るところと通らないところがその錆具合で見てとれた。

09:41新十津川発→(JR札沼線)→10:29石狩月形着

石狩月形駅

 石狩月形駅に着き、月形樺戸博物館へ向かった。


月形樺戸博物館

 月形樺戸博物館は、月形町役場の敷地内にあった。


月形樺戸博物館

 ここは、明治時代に建てられた樺戸集治監という監獄の記録を残す博物館で、初代典獄・月形潔の名から月形樺戸博物館と名づけられた。
 監獄の囚人は、安全管理も衛生管理も劣悪な状況下、北海道開拓のための農地の開墾、木製の上水道管の作製などの労働でこき使われ、多くの囚人が死んでいったという。
 入口の石段は、裸足で働かされた囚人がすり減らしてしまったという話が誇大に伝えられている。実際は、その後の見学者など囚人以外の者がすり減らしたということらしいのだが。
 いずれにしてもここには、鬼気迫るものがあった。

13:45石狩月形発→(JR札沼線)→14:18石狩当別着
14:29石狩当別発→(JR札沼線・函館本線)→15:13札幌着
15:30札幌発→(JR函館本線)区快いしかりライナー→16:09小樽着

 縁あって、小樽の都通り商店街にあるカフェあんなを訪問。日本列島喫茶店スタンプラリーに参加することにした。

2011/09/14

 長万部、五稜郭、木古内、蟹田、青森経由で弘前に帰る。

08:07小樽発→(JR函館本線)→11:13長万部着

JR比羅夫駅

 比羅夫駅は、宿泊施設にもなっているユニークな駅。以前この駅にさしかかったときは、宿泊者がホームでバーベキューをやって盛り上がっていた。

 晴れ。
 長万部で降りたからには、かなやのかにめし。
 いつものように海岸まで移動して防波堤下の流木に座り込み、海上を動いていく漁船を眺めながらかにめしを食べた。満足。
 ふと見ると、旅行客らしき女性が彼方の浜辺を裸足になって気持ち良さそうにゆっくり歩いていった。

13:28長万部発→(JR函館本線)→16:06五稜郭着
16:27五稜郭発→(JR江差線)→17:38木古内着
17:44木古内発→(JR海峡線・津軽線)白鳥42号→18:31蟹田着
18:58蟹田発→(JR津軽線)→19:43青森着

 青森駅前、なじみの紀文寿しに立ち寄って大将と雑談を交わした。

20:39青森発→(JR奥羽本線)→21:22(遅21:23)弘前着

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